裁判離婚
裁判離婚 もくじ
裁判離婚とは
調停でも離婚が成立しないときは、無家庭裁判所に離婚を求める訴訟(離婚訴訟)をおこし、判決で決めてもらうことになります。これを裁判離婚といいます。
裁判離婚では、離婚と同時に、子の親権者の指定や監護に関する処分、養育費財産分与や慰謝料などについても、判決で決めてほしい旨を請求することができます。
ただし事前に調停を起こしてそれが不成立になり、調停不調の証明書を添付する必要があります。つまり、いきなり最初から離婚裁判はできないのです。
裁判離婚の特徴
裁判離婚では、法律で認める離婚の事由が必要になります。
- 配偶者に不貞な行為があったとき(夫または妻の貞操義務に反する行為)
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき(夫婦生活が維持できなくなるのを承知で、同居、協力、扶助などの義務を果たさない)
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(夫または妻の生存の証明も死亡の証明もできなくなってから、3年以上経過しているとき)
- 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき(夫または妻が統合失調症、うつ病などの重篤な精神疾患にかかっていて、回復する見込みがない場合)
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(①~④までの理由はないが、夫婦生活が事実上破綻していて、回復の見込みがないとき)
●③と④は、必ずしも当事者に責任があるとはかぎりませんが、それによって、夫婦生活が破綻していて、誰が見ても結婚を続けさせるのは酷と思われる事情がある場合です。
ただし、①~④の事由があっても、裁判所が一切の事情を考慮して、婚姻の継続が相当と認めたときは、離婚を認めず、訴えは棄却されます。
有責配偶者からの離婚請求は原則認められない
これは、自分で夫婦生活を壊してしまった人が、落ち度のない相手に離婚を求めるのは許せないという考え方によるものです。しかし、最近では、次のような場合には、離婚を認める裁判例が増えています。
- 夫婦の別居期間が相当長期に及んでいるとき。
- 未成年の子がいないとき。
- 離婚によって、相手方が社会的・経済的・精神的に過酷な状態におかれる恐れがないとき。
裁判離婚の手続き
離婚訴訟を起こす人を原告、起こされた相手方を被告といいます。訴訟を起こす裁判所は、夫又は妻の住所地を管轄する家庭裁判所です。裁判はまず裁判所に訴状を提出してから始まります。
裁判離婚の流れ
- 「離婚せよ」と判決を求める「請求の趣旨」とその理由「請求の原因」を記載します。
- 訴状には、子の親権者の指定や監護に関する処分、養育費、 慰謝料、養育費として○○万円を支払などの「請求の趣旨」とその原因を記載します。
- 訴状が提出されると家庭裁判所は、約1カ月~1ヶ月半後に第1回の口頭弁論期日を指定し、呼出状と訴状の写しを被告に送付します。
- 被告(訴訟を起こされた人)は、訴状に記載されている事実に対し、自分の反論や主張を「答弁書」という書面にまとめて、裁判所に提出して、訴を受けてたつことになります。
- 第1回期日の後は、何度か口頭弁論期日が開かれて、双方の主張や反論を述べ合います。双方の言分は、すべて「準備書面」と言う形の書面で出すことになっています。
- それとともに、自分の言分が正しいことを証明するための証拠を提出する(立証)必要があります。証拠としては、例えば不貞行為を裏付ける手紙や写真などの書面による証拠と、浮気を目撃した証人や当事者本人が法廷で事実を述べる方法があります。
- 裁判官は、双方の主張や立証に基づいて、これらの証拠調べをしたうえで、どちらの言分が正しいかを判断するのです。
このように、口頭弁論期日が何度か開かれ、最後の証拠調べとして当事者双方の本人尋問が行われると、裁判は終了し1ヶ月位して判決が言い渡されます。裁判に要する期間はおおよそ2年です。
裁判所が、証拠に基づいて原告の主張が正しいと判断すれば、請求の趣旨に添って、「離婚せよ」と言う判決が言い渡されます。原告の主張が認められないときは「請求棄却」という判決になります。
裁判離婚の期間
1回の裁判の時間は、準備書面の交換だけで数分で終わる場合や、証拠調べや裁判官の質問が多いときは1時間~2時間かかる場合もあります。期間的には2年以内が望ましいと言われていますが、3~4年かかる場合もあります。
裁判中に、裁判官から「和解によって解決してはどうですか」と勧告される場合があり、和解に合意すれば裁判官が仲介して双方の意見を聞く形で和解が進められます。双方が和解案に合意すれば、裁判期間は短縮されます。
裁判離婚の費用
裁判所に収める手数料
裁判所に収める手数料は訴えの内容によって金額が違います。
- 離婚だけの訴及び親権者指定の場合 8200円
- 離婚と慰謝料を請求するとき 額によって手数料が違うちなみに500万円の慰謝料を請求する場合は 3万2600円
- 書類郵送代 10000円 追加金あり
- 証人の日当・交通費
弁護士に支払う費用
弁護士に支払う費用は 着手金 報酬 実費 日当などです
弁護士に依頼したときの費用(例)
★調停事件の標準額(離婚だけを請求) 着手金 ―――――――――――――――30万円~50万円 報酬金(調停が成立した場合)―――――30万円~50万円 ★調停不調後の離婚訴訟事件の標準額(離婚だけ請求) 着手金 ―――――――――――――――40万円~60万円 (調停と同じ弁護士に依頼したときは調停の際の着手金の2分の1の額) 報酬金(離婚が成立した場合)―――――70万円~130万円 ★財産分与、慰謝料などの「経済的利益」を伴う場合 経済的利益の額により、次の金額が加算される
| 経済的利益の額 | 着手金 | 報酬金 |
| 300万円以下 | 8% | 16% |
| 300万超 ~3000万以下 |
5%+9万円 | 10%+18万円 |
| 3000万超 | 3%+69万円 | 6%+138万円 |
| ~3億円以下 | 2%+369万円 | 4%+738万円 |


