機能不全家族の中で育った夫はアダルトチルドレン
妻磯野亜紀(37)学校事務職員 夫磯野和人(40)会社員・IT技術者
依頼人の夫はアダルト・チルドレンだと思います。この夫に、人間としての躍動感がありません。「抜け殻のよう」な生活です。
「夫はぜんぜん家庭に無関心なので、他に女性がいるのではないか」との調査依頼を受けたのですが、事情を聞いて「この夫には女性関係はない。」と確信できたため調査を行はず、離婚対策に変更しました。弁護士さんに、打ち合わせのための予備知識として「生活記」を提出しました。
依頼人が語るこの「生活記」は、耳慣れない、しかし精神科医に相談に来ることが急増しているというアダルト・チルドレンを知る格好の資料です。
生活記
新婚当時より漠然とした不安を感じる
新婚旅行は磯野家の親族7人が同行してサンフランシスコに行った。夫の親戚のつながりは強い。10日間ずっと親戚と一緒で、最後の夜だけ私の要望で別行動をとった。旅行中の夫婦生活はなし。夫は英語を解さない私に通訳するとかサポートすることもしない。
旅行から帰ってからの夫婦生活はつねに3分で終わる。その間話も何もなく、無言の状態で行為が終わり、もっと楽しくしてほしい旨を伝えるがまったく取り合ってもらえない。
義父の酒乱
勤務を終えて帰宅すると、同居の義父は、一升瓶を庭に転がし、茶の間のポットは横倒しになり皿やコップが畳に散乱しているということが度々で、庭先や家の中でわけの分からない罵声を発しわめき散らしている。
義父は雨が降ると仕事が休みで、必ず昼間から仲間と酒飲みになってしまう。夕方には決まって喧嘩が始まるので、私は雨の日の帰宅がゆううつで帰れず、何度も帰宅途中のレストランの駐車場で時間を送ったことがある。
義父に襲われる
結婚当初からこんな有様なので、将来に希望が持てず数度実家に帰ったが、その都度、なんだかんだといっては戻されました。
このような生活が続いて何年か経ったある日、ついに義父は私にまで手を出すようになりました。いつものように酒乱状態で私がびくびくしながら夕食の準備や子供の世話をしていると、何やら言いながら近寄ってきたかと思いきや、突然抱きつかれました。私は驚きとショックで呆然となったが、それでも子供二人を抱いて逃げることは出来た。その後も幾度も追いかけられて逃げまわり、二階にまで上がってこられ必死で義父の手を振り払うのが精一杯でした。
夫に泣きながら別居しょうと訴えても、「長男(4歳)が守ってくれる」と一言だけで終わり。早めに帰宅して様子を見るとか、雨の日だけでも定時で帰ってくるとか、私に様子を尋ねるとか、誰かに相談してみるとか、夫婦で話し合ってみるとか、何かはできたはず、でも何一つ行動してくれなかった。
夫の酒乱
夫自身の酒癖も悪く、まず飲酒運転は平気。缶ビール片手に運転して帰宅する。飲酒運転事故も当然起こす。結婚前に一度大怪我をして入院したが、「二階から落ちて骨折した」と会社に報告して助かった。結婚してからは三度、いずれも自爆で車を大破している。
無気力人間なのに飲むと豹変し、年上だろうと大先輩だろうとかまわず人をつかまえて、「使いものにならない」だの、「わかっていない」だの、「あんたの長男坊を俺が面倒見ている」などと喚いてはひんしゅくをかっている。飲みすぎて家の内外ところかまわず吐きまくるのも常である。車の中はもとより、ベランダ、茶の間の障子、トイレ、通路までどこでも平気。他人の家の庭先に勝手に車を駐車して警察から呼び出されたこともあり、お詫びに行くように言っても馬の耳に念仏である。
このごろは、酒量も増えたようでロレツが回らなくなり、何を言っているのか分からないときが時々ある。飲みすぎて翌日遅刻や年休を取ることも多い。
育児
自分から進んで子供に接触しようという意思がまったくない。子供が赤ん坊の頃、脇で泣いていようがどうだろうと無関心。第1子は私の実家で出産し、主人もその間そこから通勤した。しかし、風呂洗い,洗濯、子供の風呂入れ、食事など全て父がやってくれ(母親は早くに亡くしている)、主人は何一つ手伝ってくれなかった。休日はフラリと出かけてしまい、子供の顔さえ見ようとしない。思い余って兄から言ってもらうと「僕は気を使うと疲れるのでそういうことはしたくない」との答えだ。
子供が赤ん坊のころミルクやその他すぐ必要なものの買い物を頼むと、出かけては行くがいつまで経っても帰ってこず、困り果てたことが何度も有った。
成長した子供たちが話しかけても、一度や二度では気がつかない。いつもT・Vを見ている。
サッカー少年団に入っている小学2年になる長男の練習に付き添いを頼むと、「この寒いのに俺はグランドになんか立っていられない」とあっさり断られた。父親として、子を養育するという意識などひとつも感じられない。
実家の父より出入り禁止される
主人は、私の実家がある町に会社があり、残業や飲み会で帰りが遅くなると私の実家に泊まる事がある。実家は父が一人住まいしている。主人は、夜遅くヅカヅカと入り、どこでも電気をつけ、ガス、ストーブもつけそのまま寝入ってしまうらしく、父が夜中に起き出してその後始末に追われたようである。火災になりかねないのでその旨注意するが一向に直らない。一人暮らしのリズムを狂わせられた挙句火事にでもされたらかなわないと、出入りを禁止された。「常識」というものが夫には欠落しているのである。
人間の抜け殻のような日常生活
朝起きてさわやかに「おはよう」がいえない生活。
たとえば、冬は、毎晩電気カーペットとこたつに入って寝ている。その寝姿はおぞましく見苦しく汚い。こたつから半分足をだし、シャッは寝乱れでくしゃくしゃ、そのまわりには夕食の食べ残し、茶碗やタバコの吸殻、味噌汁の具などが転がっている。テレビや電気はつけっぱなしで朝を迎える。
子どもたちがどやどや降りてきてもピクともしないでコタツに埋もれている。7時30分に家を出るのだが20分に子どもに起こされるまで寝ている。長男が声をかけ忘れたため遅刻したことが幾度あることか。起きて、歯だけを磨いて出て行く。
夜中に帰宅して、ガスを点けっぱなしにしてこれまでに何十個鍋類をダメにしたかわからない。焦げ臭い匂いで義父が気づいてガスを止めている。夜中2時頃ロレツが回らない電話をしてきたり、外泊もしょっちゅうする。私宛の電話を受けてもその伝言は忘れて伝わらない。
会話は、ボーっとしていて成り立たない。子どもとの約束も忘れてしまう。朝の歯磨き、洗顔は決して洗面所に行かず、必ず台所の流しでやる、私が流しを使っていても横で空くのをじっと待っている。口臭がひどく、足も臭くても平気。訳のわからないことを言う。入浴後、濡れたタオルをところかまわず置く。体を良く拭かないで家の中を歩き回りベタベタにしてしまう。
暇さえあればボーっとしてタバコをふかしている。使い終わった綿棒や楊枝はどこにでも置き、決して物をゴミ箱に入れるということができない。傘、湯のみ、コーヒーカップなど車へ持ち込むとなくしてしまうらしく、次から次へ私の物や子どもの物も持っていってしまう。
車の中はゴミ箱よりひどい状態で、ビールの空き缶はもとより、たばこ、つまみの空き袋、梅干の種、湯のみ、楊枝ビニール袋等助手席の足元に山のようにゴミがたまっている。腐敗した悪臭が車内に充満していても気にも留めない。
靴下はどこへでも脱ぎ散らかす、タンスを開けたらあけっぱなし、決して引き出し等を閉めることができない。出勤も休日も同じ格好でいて、生活のけじめができない。夜中だろうと、足音高く歩き回り、ドアの開閉も思い切り強く、家人が寝ているから、夜中だからなどという神経はない。私の足を踏んづけても平気である。土日は、ただひたすら居間のカーペットで寝ている。テレビだけが友達のようで、無表情で飽くことなく見ている。人間的な温もりもなく「亡霊と住んでいる」という感じである。
優しい言葉など一度もなく 家庭内別居
何度も何度も夫婦のあり方、子どもの教育、夫としての責任や家族のあり方などいろいろ話し合ってきたつもりだったが、主人はいつでもそういう話になると、一言も発せずただただ私が話し終わるまでひたすら黙ったままでいる。「どうなの?」と聞いても明確な返事は返ってこないばかりか、その大事な話の最中に「明日の天気はどうなんだ、曇りなのか雨か」などと平気で言う。
こんな生活が続いて、私は自分がおかしくなってしまうと思い、ついに家庭内離婚の状態に入りました。他人だろうと思えば、ただの同居人と思えば腹も立たないと思ったからだ。もちろん夫婦生活もなく、最低限の会話しか交わさず、夫の目さえみない生活がもう5年続いている。「生活をもう一度立て直そう」とか、「俺たちはどうなっているんだ」とか、夫からの話は一切ない。
ただ時間が空しく流れて
毎日毎日が平和に過ぎ去っていくがごとく夫は生活している。家庭内離婚に踏み切るときにこのことは予測できていた。多分私がこのまま生活を続けていけば一生このままで終わるだろうと思う。ただ時間が流れ、子どもも成長し、私も老いて行く。毎日の生活がどうであれ時間が流れ月日が機械的に過ぎていく。夫にとって生きるということはどうもそういうことらしい。
私は真っ平ごめんである。私は自分の人生を生きていきたいと思う。子どもたちにも、生きているっていうことは素晴しいと思える一生を歩いていって欲しいと願っているし、親としてそれを教えてあげなければいけないと思う。そのためには、何としても離婚して現状から脱出しなければならない。
アダルト・チルドレンの記事
- 前の記事: アダルト・チルドレン
- カテゴリー: アダルト・チルドレン
- 次の記事:


