私が見てきた財産分与 | 茨城離婚相談所(茨城県日立市 弁護士要らずの離婚手続き・協議離婚・離婚問題の相談)

私が見てきた財産分与

財産分与ももめたら限がない項目

家財道具の動産、自動車、分譲マンション・持ち家の不動産、預貯金の金銭、株式・有価証券などの債権、退職金、年金など一切合財が対象になります。

事例
さくらと一郎夫婦が分譲マンションを一郎名義で購入して住んでいました。
結婚生活10年目に夫婦は破綻し離婚することになりました。離婚に際し、夫が単身マンションを出て行き、妻子がマンションに残って暮らすことになった。
マンションの夫から妻への所有権移転手続きとローン組み換え手続きを怠り、住宅ローンの債務者は一郎のまま妻が支払っていましたが、7年後、妻はローンの支払いができなくなってしまいました。
一郎は別れた妻子の住むマンションのローン支払いを拒否して放置しておいた結果、同マンションは差押さえ競売に付され、マンションは安い価格で落札されたため一郎に1500万円のローン債務が残り、一郎の給料が差し押さえられるハメになった。

このような事例は珍しくはないのです。

ポイントは離婚のとき、不動産の名義変更と住宅ローンの借り換え手続きを怠ったためこの夫婦は失敗したのですが、実務として、住宅ローンの借り換えは妻に充分な支払能力があるか、有力な連帯保証人がいなければ現実的にはむりなので、一郎とさくら夫婦のような変則的な支払方法をとってしまうのですね。

財産分与の要素

一口に財産分与といってもここには、清算的要素・扶養料的要素・慰謝料的要素・過去の生活費の清算的要素の4要素に大別されるのです。
このうち清算型は夫婦が協力して形成した財産の清算のことなので、基本的な持分は2分の1ずつといわれています。
残りの要素については、長期疾病などの状況、破綻の有責性、過去の生活費の未清算などが関係してきますが何%という明確な基準はありません。
しかし、残りの要素についても全財産の4割から3割の割合で認められているケースもあるようです。
家業協力型や共稼ぎ型になると5割を超える場合もあるようです。

偽装離婚と財産分与・税金の関係

時々見聞する事例ですが、夫の債権者から差押さえを逃れるための偽装離婚して夫の全財産を妻に財産分与することがありますが、債権者の権利を侵害したことになるおそれがあり、債権者が詐害行為取消権により、その財産分与の取消し訴訟を起こしてくる可能性があります。
また、専業主婦なのに、夫婦の財産全部を分与してもらったとなると、「相当な範囲を超えた部分につき」贈与が認定され、贈与税を課税された人もいます。
「相当な範囲」とは5割前後をいいます。
また、不動産の財産分与は分与した方に譲渡所得税が課税されるので要注意です。
退職金を含めた金銭や年金には、所得税などの税金はかかりません。

事例 : 財産分与と退職金の差押

ともに50歳代の黒川夫婦は妻のサラ金問題が原因で離婚することになった。
妻幸子が純潔犬繁殖型利殖話にサラ金クレジットなどより借金して投資したことが失敗。夫が、妻のサラ金地獄に気付いたときには、サラ金20社からの借金が元金利息合計で3000万円になっていた。
夫の健康保険証や実印・印鑑証明書を利用して、夫名義でも数千万円借り入れていることが判明した。夫は、金銭消費貸借書に署名・押印をしておらず妻が勝手にしたことだが、「夫の実印・印鑑証明の管理不行き届きの責任を問われ、夫名義の借金は免れない」と弁護士の説明。
当時、一部上場の大企業に勤務していた黒川氏に早期退職をして退職金を隠匿することをすすめた。
しかし、大企業を早期退職する未練と、退職金までは差し押さえないだろうとの甘い考えが交差してずるずると勤務をつづけた。
とある日、黒川氏が血相を変えて「サラ金業者に給料と退職金を差し押さえられた!」と駆け込んできた。ああ!万事休止…。

事例2 : 財産分与と仮差押

定年をまじかに迎える深作一郎と妻花子は協議離婚も調停離婚も不調に終わり、裁判離婚することになり、妻が弁護士に依頼した。
夫一郎は、上場している大企業に勤務しているが、生活歴を妻から聞いた夫の性格的偏屈さ頑迷さは一様でなく、「このような身勝手な男に財産分与や慰謝料請求は難しい。退職金や自宅を処分されないようにしなければ危険」との弁護士の判断で、自宅の所有権移転禁止の仮処分を裁判所に申請した。
退職金の仮差押も申請したのだが、裁判所の調査官の調査結果で、一郎はなんと早期退職をして退職金は既に支払われており、現在は契約社員として継続して勤務していることがわかった。
退職金は銀行口座振込みになっているので、いつもの給与振込みの口座の残高を差押さえたのだが、なんと一郎は退職金振込み用の銀行口座を別銀行に開設して振り込ませており、退職金の差押さえは空振りに終わった。
狡猾な夫はこのような手口を使いますので夫人の皆さんは気をつけてください。
離婚事件の結末は、夫の有責性が強い判決で、実質的に妻が勝訴したのだが、問題の退職金は、「使ってしまった」の一点張りで、回収することはできず、代わりに、慰謝料と財産分与名目で土地建物を妻が取得しました。
といっても、建物は老朽化して立て替えなければならないような状態なので、実質的に土地だけが妻の手に入ったという結果でした。

なお、財産分与は離婚してから2年以内に請求しないと、時効にかかるので注意を要します。

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