私が見てきた面接交渉権
面接交渉権の決め方
協議離婚又は調停離婚において「面接交渉条項」の悪い決め方は次のような条項であるといわれます。
面接交渉条項の悪い文例
「大和花子(元妻)は日本太郎(元夫)が、当事者間の長男大和一郎と原則として1ヶ月に1回面接交渉することを認め、その具体的日時、場所、方法等については双方協議して定める」
と、このようにした場合は、元夫婦でその都度協議しなければならず、離婚紛争が深刻かつ激突型のときは更なる紛争の種になってしまいます。
次に模範的面接交渉条項の文例をかかげます。
模範的面接交渉条項の文例
1 大和花子は日本太郎に対し、次のとおり長男大和一郎を面接させるものとする
① 月1回、毎月第1日曜日
② 大和花子は午前9時に〇〇駅南口改札口において大和一郎を日本太郎に引渡し、日本太郎は午後5時〇〇駅南口改札口において大和花子に大和一郎を引渡す。
③ 面接場所は大和一郎宅以外の場所とする。
2 大和一郎の病気等前項記載の方法で面接交渉ができない場合は、当事者双方で協議の上、代わりの日時、方法を定める。
3 日本太郎と大和一郎の面接については、当事者双方はその良識に従って子の福祉を害しないよう十分の配慮の下に行うものとする。
調停で決めた面接交渉条項を無視した母親が慰謝料を父親に払う判決がでた!!
離婚した父親が、親権者となった母親に調停条項に基づき、月1回、2時間程度の面接を求めたが、母親はこれを拒絶、家裁の履行勧告も無視した。
父親は母親に損害賠償請求の訴訟を起こした。判決は、母親は父親に対し「慰謝料500万円を支払え」というものでした(静岡地裁浜松支部平成11・12・21。判時1713・92)。
私が見てきた面接交渉の現場
離婚した父親は、毎月1回 某公園駐車場で母親が連れてきた4歳男児を引き取り、3時間後同公園駐車場で母親は男児の引き渡しを受ける。
このような面接が数回続いたが、回を重ねるたびに父親と会うことをむずかり始め、その日が近づくと緊張して震え出すようになった。
ある面接交渉日に母親は子どもを父親に引渡して、いったん帰り友達の車で公園に来て見ると、なんと父親は女連れ(新しい妻?)で子どもと遊んでいたのだ。
烈火のごとく怒った母親は、子の福祉に反することを趣旨として面接交渉の取消しを求める家事審判を家裁に申立て認められた事例があります。
自然消滅する父と子の面接交渉
母親が子の親権をとった場合でも、父親が養育費を支払い続けている場合は比較的円満な面接交渉が継続しているようです。
また、あれほどかたくなに面接交渉にこだわっていた父親でも、再婚して子どもができた場合や、面接交渉している子どもがだんだん父親を避けるような態度に出たり、子がなつかなくなったり…或いは父親の都合で面接できないことが多くなったりして徐々に没交渉になっていくことをよく見聞します。
つまり、わたしの知る限り父親と子の面接交渉が比較的スムーズにいくのは、子どもが小学低学年までで、小学5~6年、或いは中学生になったら面接交渉はどちらから言うでもなく没交渉になってしまうのが現状です。
真面目に面接交渉を続けている父親には失礼なのですが、大方の父親の熱意なんてこの程度のものかもしれません。ですから、離婚に際して母親は子の面接交渉を徹底拒絶するのが一般的ですが、「あまりこだわらなくても父子の交流なんて自然消滅しますよ」と母親に教えています。
そこで妻たちは反論します。「一番無抵抗に父親の言動を受け入れる時期にあいつの仕草を植え付けられるのがいやなのです!」と…。
面接交渉と子の養育費支払いは両輪一体か?
子の養育費の支払いが停滞ぎみな父に、母親は「養育費も払ってくれない父親 に子どもは会わせられない」と面会を拒絶しました。
このように一般的には面接交渉と子の養育費支払いは両輪一体と考えられがちですがそうではないのです。
「子どもとの面接ができないなら、養育費を支払わなくてもよい」というのと考え方と理論的には同じですが、ともに法律的には許されません。
このような考え方に固執すると、「養育費を支払わないような無責任な親」として、あなたとの面接交渉が子の福祉、利益を害するとの判断材料になりかねません。
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